デンマークのコロナ感染検査数とその費用について(2021年9月1日)

2021年8月26日付け新聞情報*によると、デンマークのコロナワクチン接種を最低1回受けた人の数は約440万人、2回受けワクチン接種を終えた人の数は約410万人と書いていました。ということはデンマークの人口数約585万人約70%の人たちはワクチン接種を終えたことになります。デンマークのコロナ感染対策は人口10万人当たりの感染者数が100人超えると自動的にその町や集落の学校を2週間閉鎖する策を取り入れてきました。2021年8月25日の段階で5カ所の集落(町)が閉鎖されています。同日におけるデンマーク全体の感染者数は約1,000人となっていました。ただし感染者の約7割はコロナ予防接種を受けていない人で、入院者の8割(全体で約100人前後)はコロナワクチン接種を受けていない人たちである、と語られています。そういうことで、デンマーク政府及行政はワクチンの接種拒否者にコロナワクチンの接種を受けるよう説得にあたっています。いずれにせよ、デンマーク政府・議会はコロナ感染者数の確認を計るため、コロナテストを頻繁に行い、結果デンマークでコロナテストを受けた人の回数は世界で最も多く、人口百万人当たり1,370万件で他の国に比べ圧倒的に多いと報じられていました。ということは、デンマークのコロナ検査回数は赤ちゃんから年寄りまで一人当たり平均13.7回ということです。二番目にテスト回数の多い国はジブラルタル(Gibraltar)で一人当たりに換算すると10回、三番目はオーストリアで一人当たりに換算すると8回と報じられていました。デンマークのコロナ検査費用は何回受けようと全て国庫負担でその額は月平均20億クローネ(約360億円)と報じられていました。デンマークのコロナ感染者数と死者数を他の国に比較してみても決して多くはなく**、にもかかわらず何故デンマークでこれだけ、検査しているか、について同新聞では、デンマークでは、レストラン、公共施設の利用などに際しコロナ陰性テスト証(あるいはコロナワクチン接種証明書)を提示する必要があり、多くの場合、同証明書の有効期限が72時間、あるいは48時間であるため、例えば理髪店を訪ねる際には最低でも3日以内の証明書が必要ということから検査を受ける回数が多くなったためと報じていました。

* Kristeligt Dagblad, torsdag den 26. august 2021

**人口百万人当たり(累積):検査回数 デンマーク1,370万件、感染者数58,561人、死亡者数 442人、ドイツ80万件、感染者数46,193人死亡者数1,100人、ノルウエー120万件、感染者数27,574人、死亡者数 147人、スウエーデン110万件、感染者数110,050人、死亡者数1,438人。

 

上記の状況を踏まえ、デンマーク政府議会は2021年9月10日をもって、コロナ緊急事態宣言を解除することにしました。デンマークがコロナ感染問題で緊急事態宣言を発表したのが2020年3月11日でそれからちょうど1年半後の2021年9月10日持って緊急事態宣言を解除し、国民が正常な生活に出来るようにしました。今後のコロナ感染者への対策はワクチン接種を持って対応することにしており、デンマーク製ワクチンの開発にデンマーク政府は支援金として8億クローネ(約140億円)計上しました。デンマーク製のコロナワクチンは早ければ2022年年始には使えるのではないかと語られています。因みにデンマークでは12歳から15歳の子供たちにもコロナワクチンの接種を始めています。(強制ではない)。

2021年8月31日

デンマーク、ウアンホイにて、

ケンジ ステファン スズキ