世界の風力発電、デンマークの再生可能エネルギーの電力供給について(20240112)

① 増え続ける風力発電による電力供給について

地球の温暖化防止が語られている中、世界各国における風力発電の導入が増えています。2010年における世界の電力供給に占める風力発電の割合は1.64%でしたが、2022年には7.33%に増えました。風力発電設備量で最も多い国は中国で329ギガワット*(2021年)、次いでヨーロッパの236ギガワット、そして3番目に多いのはアメリカで132.7ギガアワットとなっています。(下記図左上の出典: Kristeligt Dagblad 6.jan. 2024 s. 7)*ギガワット( GW=100万kW) 参考、日本の風力発電導入量(2022年末の累積) 約4.8ギガワット。

 

デンマークの風力発電の導入推移については下記図の通りですが、電力消費に占める風力発電の占める割合いは1990年の1.9%から徐々に増へ、2021年43.6%。そして2022年には53.6 %に増えました。

デンマークの2022年末における風力発電設備量は7,084MW**で内陸内の設備量は4,778MW, 洋上は2,306MWになっています。

デンマークの道府県別に見た風力発電の発電量(単位TJ) ですが、ユトランド半島の北部、西部及び当然なことながら海岸線を持つ都道府県の発電量が多くなっています。(図右上と左下の出典: Energistatistik 2022 s.9). **(MW=1000kW)

② デンマークの再生可能エネルギー資源による電力供給量について

2022年におけるデンマークの再生可能エネルギー資源による電力供給量の割合は、国内電力消費量に対し2021年の71.9%に対し81.4%となり、9.5%増えました。結果、エネルギー消費による2022年の二酸化炭素量の排出量は2,770万トンで、前年比約20万トン減りました。

デンマークのエネルギー消費における二酸化炭素の排出量は、1990年の基準値100に対し2022年には約40.3に減らしました。

     表1.デンマークの再生可能エネルギー資源による生産量推移(1990-2022)

  

③ 風力発電機メーカーベスタスの受給量について

世界中で風力発電への投資が進む中、デンマークの風力発電機メーカ―ベスタス社の受注が伸びています。特にアメリカから発注が多く2023年アメリカからの受注量だけで4GW(4百万kW)となり、日本からの受注量は136MWになっています。ベスタス社の受注量の推移について過去3年間の実績を見ますと以下の通りです。

 風力発電機メーカーベスタス社の受注量 (単位:MW)

      2021年 13,896 内:日本からの受注量 336

      2022年 11,189 内:日本からの受注量   79

      2023年 17,083 内:日本からの受注量 136

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