研修生の声から

研修を受けた方々から、多くの貴重な感想をお寄せいただいています。スズキ氏の宝物でもある「研修生の声」から、最近の、ほんの一部を抜粋させて掲載させていただきます。

 

 

「風のがっこう」 2月研修に参加させて頂いて

                    F&Aパートナズ㈱ 山口 二男

この度、2018213日~217日にかけて、ステファン氏が主催するデンマークにおける「風のがっこう」研修に参加させて頂きました。大変有難いことに、この研修期間をフル活用して、デンマーク国内の様々な地域の再生可能ネルギーの普及と活用状況に関して視察することが出来たのと同時に、そこでのデンマーク特有の地域共生の実態に関してもたくさんのことを学ぶことができましたので、ご報告を兼ねて私なりの感想を以下に述べさせて頂きます。主な具体的研修内容としては、以下のようなプログラムでした。

 

  ・デンマーク事情の座学(トータルで3)@ユトランド半島

 

  ・KAMD 風車見学、ウインドファーム見学

 

  ・廃棄物リサイクルセンター見学@Vildbjerg

 

  ・廃棄物処理センターØstdeponi社訪問し、廃棄物処理の視察

 

  ・ウアンホイ地域暖房会社訪問&視察

 

  ・共同バイオガスプラント見学

 

  ・Hvidovre風車見学

 

デンマークは九州ほどの面積で、人口はたったの560万人とのこと。資源の少ない小国ですが、よくぞこれほどの「高福祉国家」を運営できるものだと感心してしまいました。

 

国の制度としては資本主義ベースに社会主義的な考え方を取り入れて、高福祉を実現させてきており、とても民度の高い国だと痛感しました。研修の座学では、平等がモットーの国で、結果、国民全体の平等意識は極めて強く、人と過度に競おうとしないということも学びました。更には、老後含めて生活に余り心配がなく、日本のように躍起になって老後の資金を蓄える必要も余りないことが実感できました。その背景には、現実に医療も介護もタダであり、福祉が充実しているから将来への不安がないように感じました。

 

また、教育に関しては大学まで学費は無償で、大学生になれば国から生活費も出るということもあり、子どもに余りお金がかからないということを学び、驚きを超えて素晴らしい教育制度であると痛感しました。税金はいわばみんなで社会を支えるための「会費」みたいなモノという捉え方であるのではとも感じました。

 

こうした平等の意識はどこから来ているのか?

 

制度だけで、本当にこうなっていくのであろうか?

 

等々、考えれば考える程、そう簡単ではないのではないか、と帰国してからもとても気になっておりました。そんな中、たまたまですが、帰国最終前日に、一緒に研修に参加した方々との集合写真や、コペンハーゲン市庁舎前に建つ「アンデルセン像」の前に立つ自分のスナップからヒントを得たというか、アンデルセンの有名な童話の数々から考えてみました。

 

恐らくですが、デンマークの「平等がモットー」という考え方が構築され、良い意味で多くの国民に染みつくようになったのは、皆子どものときからアンデルセンの童話を大人や老人から話して貰い、それを聞いて学んできたからではないか、と思いました。

 

確かに、私自身も、有名な『みにくいアヒル』から「みんなと違っても良いんだよ」ということを学び、そして『裸の王様』の噺からは「エラそうにしている人は恥ずかしい大人なんだよ」と教えられたような気がしています。更に、最近といっても久しいですが映画『アナと雪の女王』の原案となった『雪の女王』からは「どんな人も変わることができる」と学んでいる筈です。

 

最後に、今回の研修で学んだ中で最も感銘を受けたのが、デンマークの環境教育の理念とも言える「環境教育は生態系における人間社会の問題と捉え、(中略)熟知した行動力のある市民の教育を目標とする」とあるが、この中で特に「行動力」ということを明記しているということでした。

 

その理由としては、先ず、キリスト教が中心となる西欧の自然観は「人間が自然の支配者」としての捉え方や価値観があります。「自然は征服の対象であり、動物は人間の命を長らえる食べ物である」という考えがメインであり、その延長線上に自然科学の発達や西洋医学の発展があった、と私自身は認識しています。こういった観点からは、今回デンマークで学んだ「共生」という概念は生まれてこない筈だと思うからです。

 

一方、日本人の自然の捉え方、相対し方は「自然と人間を連続した繋がりのある関係」という捉え方、所謂「共生」であり「運命共同体」という考え方があると認識しています。

 

しかし、今回、デンマーク滞在中、一貫して学び、感じたことは、正に欧米的な自然観ではない、むしろどちらかと言うと日本的な自然観に近いものになっているということでした。とても不思議な感じがしました。もしかしたら、研修中に教えて頂いた欧州各国の中で国旗に「」の入った国々、デンマークを筆頭に、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド等々の北欧の国々は皆、「共生」の価値観が培われているのでしょうか。この辺に関しては、今後も引き続き自分なりにもう少しデンマークという国を掘り下げて学んでいくことで、自分なりの答えを出していく必要がある、という痛感した研修でした。

 

今回の研修では、特にエネルギーに関しては地域毎に自立し、共生していこうとするあらゆる施策や工夫に関して、風車、廃棄物リサイクルセンターや処理センター、更には地域暖房会社等々の様々な施設を訪問させて頂き、そして学ばせて貰いました。

 

最後に、再度、今回の研修に参加させて頂いたことに対しての感謝の意を表したいと思います。本当に有難うございました。

                                以上 

 

 

(学生、女性、20歳)デンマークは、とても愛国精神が強く、人を信頼するということに長けていて、それだからこそ栄えた国なんだということが分かりました。日本で新しいことを始めるのは、ハードルが高いせいで、他人に依存してしまっていて(誰かがやってくれるから自分はやらなくていいやという考え)、良い方向に国が変わっていけないのが日本の現状なので、日本人はデンマークから学ばなければいけないと思いました。私にもできることがあるのではないか?!と勇気づけられました。

日本の技術は最高峰で、これ以上CO2を削減するのは難しいと、大学の授業で習いました。しかしできることはまだまだたくさんあるんだなと思いました。高校まで勉強が嫌いで嫌いで仕方がなかったのですが、先生との勉強はとても楽しかったです。知らないことを知るってこんなに楽しいんだ!もっと知りたい!と学びに貪欲な気持ちが芽生えました。この4日間は、自分の人生のターニングポイントになったのではないかと思える程とても刺激的で貴重な日々でした。デンマークの美しい景色が見られたこと、現地の人々の暖かく、そしてイケメンな人々に出会えたこと、そしてスズキ先生に出会えたことに感謝です。

 

(学生、女性、20歳)4日間、大変お世話になりました。初めての海外で大きな不安がありましたが、おかげで一生忘れられない素敵な旅になりました。デンマーク人の価値観、生活文化、あたたかな人柄にふれられたことは、自分の住んでいる日本と言う国を外側から見つめ直す貴重な機会になったと思います。デンマークはそのすべてが、と言っても過言ではないほど、魅力的な国ですが、私は特に、倫理教育にとても強く興味を持ちました。真実や、生死といった明確な答えのないものについて、真剣に向き合ってみる必要性を感じ、日本に帰ったら自分なりに答えを出してみようと思いました。

 

(学生、女性、20歳)何も無駄にしない精神や、自分で考える教育、国民の倫理観について知り、深く考えさせられました。初めて間近で見た風車は圧巻で、デンマークに来ることができて、本当に良かったと思います。