【概要】
デンマークは580万人、兵庫県の人口と同じぐらいで、広さは、九州と山口県ぐらいの広さの国です。65歳以上の人口比率(高齢化率)は、2017年で19.1%、日本は2018年27.8%です。人口は、移民もありますが、出生率は1.75%、日本1.43より高くなっています。
デンマークは、1970年ごろのエネルギーの自給率は2%で、ほとんどを中東の石油などに頼っていたが、オイルショックを経験し、国外資源の離脱に向けてエネルギー計画を立て、食糧と共に、エネルギーの確保を政策にした。その時に原発導入も計画されたが、市民の反対により、国民的な議論が始まり、10年間の議論を経て、1985年に原発に依存しないエネルギー政策を導入しました。1986年にはチェルノブイリ原発事故があり、国民は選択が正しいと確信したと言います。
国内資源の活用の中に、風力、バイオガス、バイオマスがありました。
1.農地を食糧確保と共に電力エネルギーの自給に風力を利用して導入を図り、
2.地下水汚染から守るために酪農における糞尿処理で熱と発電をするバイオガスコージェネ発電を進め、
3.国内の可燃廃棄物を含め、麦わら、木くずなどバイオマスで、エネルギー化を進めました。
●廃棄物の処理についての考え方
1990年 廃棄物を「資源」と規定。廃棄物の処理計画を、短期、長期に立てる。現在2024年までの計画立案。廃棄物の中身、出所、最終処分するまでの処理状況、廃棄物を燃料としているコージェネ設備の焼却容量、最終処分場の残余容量などを記載することになっています。
●廃棄物の処理方法
市町村は98あり、廃棄物の処理は市町村独自で実施せず、隣接する市町村が集まり、廃棄物の処理の会社を設立し(現在28ケ所)、そこが実務を行う。その会社の運営管理には、市町村の職員(廃棄物問題担当官)が監督にあたることになっている。28ケ所のうちの最大焼却設備容量は年間60万トン、最小設備容量は2万4千トン。(ちなみに高島市は1万5千トン未満)
廃棄物の焼却収支は、基本プラスマイナスゼロです。税金の投入無しの非営利団体です。
収入は、ゴミを排出する市民、企業からの処理委託費用、売電、売熱による収入。支出は、設備メンテナンス費用、人件費。
廃棄物によるエネルギーは、電力消費の4%、給湯と暖房消費の23%を占めていて、その他は、麦わら、木くずのバイオマスと、バイオガス、太陽熱、風力、天然ガス、石炭、石油になっていますが、化石燃料の使用を減らしています。
デンマークのごみは、一般廃棄物と、産業廃棄物とを分けて処理をせず、どちらも市町村の管理で処理を行っています。
ゴミを減らし、リサイクルする、リサイクルできないものはエネルギーにし、石油、天然ガスの代わりに利用することによって、CO2削減そして、エネルギーの外国への依存から自給へ転換することにも貢献します。
また、デンマーク方式は、市町村管理の非営利企業であり、税金の投入もないということでした。 (以上 福井 記)
(参考)
一人当たりでは、デンマークは、2,015kgで、日本は一般廃棄物のみでは、年間322kgですが、産業廃棄物分2,096kgを合計すると、3,418kgで、1,5倍のごみを出していることになります。(環境庁資料より)
詳細は、下記資料をご覧ください。