1. コロナ禍による行動制限解除(9/10)後の状況
デンマーク政府・議会は、コロナ感染問題についてコントロールできる見通しを基に、9月10日全ての住民の行動制限(業界の開業制限含め)を解除しました。
その事で9月10日(金)コペンハーゲン市では公園を会場とした5万人収容のロックコンサートを開催し、また翌日の11日(土)王子参加の都市ランニング大会を主催し、全国で8万人が参加したと語られています。それから1週間が過ぎ、コロナ感染者の数が増えるのではないかと筆者は懸念していたのでしたが、今の所その傾向が見られないようです。
その背景にはデンマークのコロナワクチン接種終了者数(2回接種)は9月17日現在人口比で74.18%、この数値は世界のランキングで12番目に当たり、北欧の国の中ではノルウェー63.78%、スウエーデン61.23%に比べ多いことも、感染者が異状に増えない*理由になっていると思っています。
*デンマークの9月17日付け時点における過去7日間の平均感染者数は351人/日、9月10日時点における7日間の平均感染者数521人/日に比べ増えていない。
デンマークのコロナ感染者数はゼロになったわけではありませんが、政府・行政が継続してコロナ感染者数の動向を監視していることから、我々一般市民は国の指導に任せることで、日常生活を営むことが出来ています。その背景には我々の多くは政治と行政への施策を信頼しているためです。
2. 世界で最も評判の良い会社に選ばれたレゴ(Lego)社について
玩具メーカーとして多くの人たちに知られているレゴ社は、2020年アメリカのRep Trak 100* の評価で、世界で最も評判の良い会社に選ばれました。
*Rep Trak とは1999年アメリカとオランダの大学教授が創立した正式名Reputation Ratingsという団体で、顧客と報道機関の評価を基に、世界企業を中から評判の良い会社をリストアップし公開している団体です。
世界で最も評判の良い上位10社の会社とは:
① Lego ②Walt Disney Co. ③Rolex ④Ferrari ⑤ Micorsoft ⑥Levi Strauss ⑦ Netflix
⑧Adidas ⑨Bosch ⑩ Intel
世界で最も評判の良い会社に持ち上げられたレゴという会社の創業は、1932年8月10日で、創業者はオーレ・キエク・クリスチャンセン (Ole Kirk Kristiansen、1891-1958)という人です。彼は木材商を営む傍ら、木の玩具を製造することを始め、1934年Legoというロゴを商業登録しました。
Legoというデンマーク語は”良く遊ぶ”(Leg godt)から生まれた言葉でLego は家族経営会社です。レゴのトレードマークは幾度も変更され現在使われているトレードマーク(下記)は1998年に登録したものです。
プラスチックのブロックの生産を始めたのは1949年からです。
レゴ社の業績について、2020年3月5日付けデンマークの新聞Jyllands-Posten に記載されて記事を基に記述します。
(Kilde:Jyllands-Posten Torsdag den 5. marts 2020)
図Lego社の2000‐2019年における売上高と税引き前利益額:単位:10億クローネ(約170億円)
赤横棒:売上高 灰色:税引き前利益 最近3年間の実績:
2017年:売上高350億クローネ 税引き前利益78.1億クローネ
2018年:売上高364億クローネ 税引き前利益:80.8億クローネ
2019年:売上高385億クローネ 税引き前利益:83.1億クローネ
従業員数:約17,000人内 デンマーク国内約4200人
レゴ社が、玩具の競合が激しい国際社会の中で業績を上げている背景には、約300人とも言われているデザイナーが、常に世界のニューズに合わせた製品開発と、特許をもとに製品の保護を計っているためだと(筆者)は推測しています。上記図で見る通り、レゴの業績の推移を見ますと、2000年から2005年赤字か殆ど利益の無い経営を続けてきましたが、2006年から徐々に利益を出すようになって来ています。2019年の業績では売上高385億クローネ(約7,000億円)に対し税引き前利益83.1億クローネ(約1,500億円)、売上高に対する税引き前利益率は約22%と高く、一方デンマーク人の従業員4,200人に対しての報酬額(詳細は判りませんが)デンマークの労働市場からみると、高額の給与を払っていることが推測され、国と地方への所得税の納税に大きな貢献をしていると推測しています。
レゴ社は独自の法務部を持ち、毎年200件ともいわれる同社の製造に関するあらゆる特許侵害を護るための業務に当たっていると、語られています。
デンマークは小国ですが、世界の中で最も幸せな国民の中に入り、世界で最も持続可能な国を営み、世界で最も持続可能の企業もデンマークあります。
何故、このような国や企業が存続するのか、その理由にデンマーク人の国民姓から生まれていると思えるので、機会を見てデンマーク人の国民性の根源について近い将来概要を記述したいと思っています。
デンマーク、ウアンホイにて
ケンジ ステファン スズキ